歯科治療と予防について

新型コロナウイルスが流行する状況下での、地域歯科医院としての役割と当院の感染防止対策

日頃より井上歯科医院にご来院いただき誠にありがとうございます。

新型コロナウイルスの流行がつづき、収束の見通しが立たない状況のなかで、当院に通院される患者さんに安全に歯科治療を受けてもらえるように、日頃の情報収集・精査を行い、感染予防体制を整えております。

このページでは、当院が取り組んでいる感染予防対策ならびに、感染予防に関わる情報をまとめて掲載いたします。

(目次)

  1. 地域歯科医院としての役割
  2. 新型コロナウイルス感染予防対策について
  3. 通院が必要な患者さんへのお願い
  4. 患者さんからのご意見・ご質問
  5. 相談窓口を開設しました
  6. 最後に

地域歯科医院としての役割

歯科医院は、地域の方々の口腔や全身の健康の維持増進に寄与する役割を担っています。

しかし、当院がある荒川区でも新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受けて、1歳6か月児健診・3歳児健診が休止されるなど、地域歯科医院の役割としてできることも限定されてきています。
(参照:1歳6か月児健診・3歳児健診の一時休止について 荒川区公式ホームページ

コントロールできないことが多い状況の中でも、できることに全力を尽くす、新型コロナウイルス流行のなかであっても、根本的な地域歯科医院としての役割に変わりはありません。

虫歯や歯肉が腫れて痛みのある方、入れ歯が壊れて食事もままならない状態の方など、明らかに健康を損なう恐れのある方の治療はもちろんですが、事態がこのまま長期化していくと、口腔ケアやメンテナンスの緊急性・重要度も時間の経過とともに高まっていくと考えられます。

歯科治療は、早期発見と予防が最も大切です。虫歯や歯周病が進んでしまうと、治療に必要な通院も増えてしまいます。

通院した方がよいかどうかの基準は、患者さんの状態によって一人ひとり異なります。患者さんごとに個別に相談して、治療の必要性を判断していただくためにも、治療やメンテナンスのことで不安やお悩みの患者さんは、お気軽に当院までお問い合わせください。

新型コロナウイルス感染予防対策について

井上歯科医院では、標準の感染予防策に加えて、新型コロナウイルスの感染対策として以下のことに取り組んでおります。

院内感染予防として、普段から行っている取り組み

・マスク、グローブ(医療用ゴム手袋)、ゴーグルの着用
・患者さん用のエプロン、コップは使い捨てを使用、患者さんごとに廃棄
・治療器具の患者さんごとの交換、オートクレーブによる治療器具の滅菌
・診療台や操作パネル等の消毒液による清拭
・スタッフの頻繁な手洗いと手指消毒
・入口エレベーターホール、受付、待合室への消毒液の設置 ・待合室への空気清浄機の設置

新型コロナウイルス感染予防として、行っている取り組み

・スタッフの常時マスク着用
・ドアノブや取っ手、手すりの消毒液による清拭
・待合室ソファの消毒液による清拭
・待合室及び診療室の頻繁な換気
・待合室の椅子の配置間隔を広げる
・患者さんの診療前のうがい ・受付にアクリルパネルの設置

通院が必要な患者さんへのお願い

感染を広げないためには、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様に手洗いや咳エチケットなどの実施がとても重要です。一人ひとりが感染症対策に努めていただくようお願いいたします。

当院へご来院される患者さんは、下記の感染防止対策へのご協力をお願いいたします。

(1)手洗いおよび手指消毒

手指用消毒液は、入口エレベーターホール、受付、待合室に手指用の消毒液をご用意しております。ご来院の際にご利用ください。

参考:厚生労働省「正しい手指消毒」(PDF)

(2)マスクの着用もしくは咳エチケット

ご来院の際はマスクの着用をお願いいたします。マスクがない場合はハンカチやタオルなどをご用意していただき、咳やくしゃみをする際に、ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえる「咳エチケット」にご協力ください。

参考:厚生労働省「咳エチケット」

(3)密閉・密集・密接を避ける

待合室の3つの密(密閉・密集・密接)を避けるためにも、人と人との距離を取って、お待ちいただくようご協力ください。また、来院人数を分散させるため、ご希望の予約時間を調整させていただく場合があります。

(4)診療前のうがい

診療前にうがい液による洗口にご協力ください。

(5)発熱や体調不良などの症状がある方

下記のいずれかに該当される患者さんは、必ず事前に相談センターに電話で相談し、指示を受けていただきますよう、よろしくお願い致します。また、微熱や軽度な咳の場合でも感染拡大防止の観点から、ご予約の延期をお願いしております。

(1)風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
(2)強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、風邪の症状や37.5℃以上の発熱が2日程度続く場合、又は強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合

荒川区保健所保健予防課感染症予防係
電話:03-3802-3111(内線430)
(対応時間:平日の午前8時30分から午後17時15分)

東京都合同電話相談センター
電話:03-5320-4592
対応時間:平日の午後17時〜翌午前9時まで、土日祝日は終日)

東京都福祉保健局「新型コロナウイルス感染症にかかる相談窓口について」

患者さんからのご意見・ご質問

ここでは、患者さまから寄せられた当院へのご意見・ご質問にお答えいたします。

※直接聞くことに躊躇いのある患者さまもいらっしゃることを考慮して、当院に直接あったご意見・ご質問以外にも、社会的に取り沙汰されている歯科医院に対する声も含まれております。

(1)歯科医院の通院を続けても大丈夫?

当院では、少しでも患者さんに安心して治療を受けてもらえるように、出来る限りの感染予防対策に取り組んでいます。通院を迷われている方には、患者さんごとの治療の状態を確認した上で、個別に相談しながら、治療の継続または延期をご案内しております。

医療機関に対する感染の不安は非常に大きく、特に歯科治療は口に触れることが多いため、感染リスクが高いのではという不安から、痛みや腫れを我慢している方もいらっしゃるのではないでしょうか。(お悩み方は、まずはご相談ください!)

3月15日に米紙ニューヨーク・タイムズで職業別の感染リスクが報道され、歯科医療従事者がリスクの高い職業の上位にきていたという情報が日本のメディアでも発信されたことで、より一層、歯科に対する不安が高まったように感じています。

ニューヨーク・タイムズの報道も、日々の仕事で病気や感染症に遭遇する可能性があり、患者さんとの距離が近いことから、新型コロナウイルスを含めた多くの感染症にかかるリスクの高い職業であると書かれています。

(グラフの縦軸が病気や感染症に曝される頻度、横軸は就業中の人との距離、縁の大きさはその職業の従事者数をあわらしています。)

出典:ニューヨーク・タイムズ「The Workers Who Face the Greatest Coronavirus Risk」

しかし、このリスクの高さには、標準予防策(スタンダードプリコーション)を導入しているかどうかは考慮していません。元にニューヨーク・タイムズの記事も、リスクが高いから感染者数の割合も大きいという内容の記事ではありません。

標準予防策(スタンダードプリコーション)とは、感染症を防ぐために日常的に実施する、感染症の有無にかかわらず、全ての患者に対して行う予防策のことです。自覚がない感染症や申告漏れ、未知の感染症に対して「感染の連鎖を断ち切る」ことを目的としています。

標準対策の考え方汗を除く、全ての体液、血液、分泌物、排泄物は感染の危険性があるものとして取り扱う
対象「全ての患者」が対象
具体的方法・手洗い、手指衛生
・使い捨てグローブの着用
・感染制御の環境整備 など

出典:1996年にアメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)が発行した隔離予防策ガイドラインにより提唱された「感染症の有無にかかわらずすべての患者に適用する疾患非特異的な予防策」

歯科医療は、治療の際に唾液などに触れる処置が多いことから、今回のような新型コロナウイルスの流行にかかわらず、標準予防策(スタンダードプリコーション)の導入を徹底しています。また、当院では口腔外科も行っているので、すべてのスタッフに対する感染予防対策についての教育にも力を入れております。

感染予防対策のひとつとして、グローブの外し方があります。このようなちょっとした対策の積み重ねが、大きな感染予防対策につながります。

歯科医療は、オンライン診療などの対策が難しい医療分野でもあります。だからこそ、正しい情報を集め、感染予防体制をアップデートしていくことを怠ってはならないと常に感じながら、スタッフ一同、徹底した予防体制で今日も診療にあたっています。

(2)定期検診、クリーニングは不要不急という話を聞きました

最後に検診・クリーニングした時期から、どれくらい経っているかによって定期検診やクリーニングの緊急性・重要度は高くなります。歯科治療は、早期発見と予防が最も大切です。一度、虫歯や歯周病が進んでしまうと、治療に必要な時間・通院回数が増えてしまいます。

痛みや腫れなどの自覚症状がない方でも、そろそろ通院が必要かなと迷っている方は、一度お電話などでご相談ください。

(3)マスクやグローブなどの医療物資が不足している?

現在の当院の状況ですが、スタッフの尽力もあり、当面のマスクやグローブ、消毒液などの医療物資は、確保できています。

ただし、いまだに医療物資の確保は非常に困難な状況が続いています。

マスクに関しては、商店街などで売られているなどの報道もありますが、品質と出どころが確かなものでないと使用できません。

医療物資の販売業者だけでなく、荒川区歯科医師会、日頃情報交換などをしている歯科医院の協力もあり、助け合いながらなんとか必要な医療物資を確保できている状況です。

歯科医院にとってマスクやグローブ、消毒液は必要不可欠です。なかには滅菌して再利用できるものもありますが、本来使い捨てのものは再利用できません。 この先診療に必要な物資が不足した場合は、診療時間の大幅な短縮や休診などの対応が必要になるかもしれません。その際は、当院WebサイトおよびSNSにてお知らせいたします。

相談窓口を開設しました

新型コロナウイルスの流行に伴い、診療予約前の電話による相談が増えております。

お電話での相談は通常通り受け付けておりますが、お電話が繋がりにくい時間帯があり、ご都合がなかなか合わずになかなか相談できないという方が今後増えてしまうことが考えられます。

対策として、メールで相談できる専用のお問い合わせ窓口を開設しましたので、お電話と合わせてこちらもご利用ください。

メール診療相談窓口(現在、受付を停止しております)

最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。

令和2年4月7日に発令された急事態宣言から1ヶ月が経ちました。(5/8現在)

皆さま体調管理はうまくできているでしょうか。

当院のスタッフはヨガマットを用意したり、早めの大掃除などをして、家でできる適度な運動とストレス発散をして、今できることで体調を整えているようです。

さて、今回の新型コロナウイルスには、危険性や規模の大きさ以上に、情報に翻弄されてしまっているようにも感じます。

医療機関として、普段よりエビデンス(検証結果・臨床結果)が確かな情報発信を心がけておりますが、今回のような不確かな情報が多い時こそ、今まで以上に慎重な情報発信が求められているように思います。

残念ながら新型コロナウイルスはまだまだ分からないことが多い状況ですが、厚生労働省のWebサイトに掲載されている「新型コロナウイルス感染症の現時点で把握している特徴」によると、飛沫感染、接触感染のリスクが指摘されており、咳エチケットや手洗いなどの、今までに経験してきたインフルエンザやその他の感染症に対しての予防策が有効であるとされています。

手洗いやマスクの付け方にもちょっとしたコツがあり、同じ手洗いでも効果は大きく変わってきます。厚生労働省の政府インターネットテレビに動画解説がありますのでご紹介します。

【動画】正しい手洗いの方法

【動画】正しいマスクの付け方

出典:厚生労働省「国民の皆さまへ (新型コロナウイルス感染症)」

また、インフルエンザウイルス対策にはなりますが、日本歯科医師会から歯磨きが感染予防になる理由を解説した動画が公開されています。

出典:日本歯科医師会「インフルエンザ予防と歯周病菌」

日本歯科医師会「インフルエンザ予防と歯周病菌」の補足として作成された動画も紹介させていただきます。わかりやすい言葉と軽妙な語り口で、内容もとても参考になる動画です。是非見ていただきたいおすすめの動画解説です。

出典:ウイルス対策には歯みがきを!

手洗いやマスクなどの感染予防に加えて、お口の清潔にもより一層、力を入れていただければ幸いです。お体には十分に気をつけてお過ごしください。

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