井上歯科医院は、最新式の歯科用CT等の設備を導入しました。
設備導入の紹介をすると何となく自慢・自己満足っぽく聞こえてしまうのではという考えもあったのですが、今回は思い切って!設備を導入するにあたっての当院の考えや、患者さんにとってどのような良いことがあるのかをご紹介してみようと思います。
デジタルだからできること
新しい設備の導入は、単純に古くなったものを変える場合ももちろんありますが、患者さんに求められることを一つでも多く実現する、そのために必要なものを少しずつではありますが導入してきました。
そして、基本には同じ想いがあり、今回は「デジタル化」をテーマにした設備を導入しました。
レントゲン・CTなどの機器がここ十数年でデジタルに移行してきました。さらにここ数年でデジタルだからこそできることが歯科医療の分野にも拡がってきています。
今回導入した設備はこちらです。
(1)CT・レントゲン:トロフィーパン スマートオシリス3DⅡ
(2)口腔内スキャナー:トロフィー3DIプロ
(3)3Dプリンター:ゼニスD
高精細画質とスピード撮影を実現、
CT・レントゲン「トロフィーパン スマートオシリス3DⅡ」
以前使用していたCT・レントゲンもデジタルだったのですが、画像の見やすさが格段に良くなりました。
導入前のデモで、以前のパノラマ画像との比較を見せてもらったときは、画像のキレイさにおおーっと声がもれたほどでした。デジタル画像処理をすることで、皮質骨や象牙質など診たい組織を強調して、診やすくすることができます。
さらにCT画像のハレーション低減処理は優れものです。CTを撮影すると、口内の金属でハレーション(金属が反射して筋状の線が出る)が起こるため、見づらい画像は明るさやコントラストを調整しながら診断をしていました。 今回のCTではこのやっかいなハレーションをデジタル画像処理によって、ボタンを1回ポチッと押すだけで、ほぼ消すことができます。便利な時代になりました。
歯の型取りもデジタルに、
口腔内スキャナー「トロフィー3DIプロ」
歯の型を取りますね、ピンク色の粘土のようなもの(アルジネート印象材)をじっと待つ。あの歯の型取りも口腔内スキャナーを使ってデジタルで記録できるようになりました。
口腔内スキャナーは、機械の先についているカメラで口腔内の形状を記録していきます。そのためピンク色の粘土のようなもの(アルジネート印象材)が固まるまでお口に入れておく必要がなく、撮影をいったんやめても途中から再開することもできるので、今までの歯の型取りが苦手な患者さんに優しい機械です
口腔内カメラで画像を撮るとリアルタイムでPC上に3Dモデルが表示されます。マウスを使ってぐるぐる回して、いろいろな角度から確認することができます。
その場ですぐプリント、
3Dプリンター「ゼニスD」
3Dプリンターといえばご存知の方も多いはず、今では様々な分野で活躍している機器です。
歯科用3Dプリンターの「ゼニスD」は、液状の樹脂を紫外線で少しずつ硬化させて形を作っていきます。この方法は、光学造形方式(DLP方式)というようで、複雑な歯列の形態なども高速で再現する事ができます。
この3Dプリンターを導入することで、院内で取り外しができる透明なマウスピースを使った矯正ができる体制が整いました。歯並びの改善は予防の観点からも重要視する患者さんが増えてきています。
院内でマウスピースを制作することによって、より患者さんの負担を減らして、矯正治療を受けていただけるようになりました。
まとめ
今回導入した設備を紹介してきましたが、どんな道具でも使いこなすには人の技術も重要になります。
機器を取り扱うスタッフの知識・スキルアップのためのに、講習会への参加の他、口腔内スキャナーと3Dプリンターをすでに導入している埼玉にある歯医者さんで、実物を使ったレクチャー受けたりしてきました。
今回の設備導入で劇的に何が変わるかと言われれば、患者さんにとっては実感しにくいところが多いかもしれませんが、「患者さんの声をカタチに」という目的に一歩二歩、三歩くらいは進めたのではないかと思います。